『暴走族と司法試験』
ーはしがき
オレは夢という言葉が嫌いだ
確かに夢は 乾ききった日常を潤し 生きる活力を与えてくれる
しかし 夢という言葉には 実現しなくても赦されてしまう
いや そう簡単に実現してはいけないもののような
そんな響きさえある
夢とは そういうものだからだ
司法試験は オレにとって ただの課題だった
課題は必ずやり遂げなければならない
やり遂げないと 次に進めないからだ
そして この課題を最後までやり遂げるエネルギーは
正義感でもなければ 使命感でもない
欲しいものを手に入れるための 飽くなき欲望である