こんにちは。今日から交通事故のブログを担当させていただきます。

 今回は、交通事故に遭った場合、示談と裁判、どちらの手続きを選択すべきか悩まれた時の目安についてお話したいと思います。

 まず、相手方が任意保険に加入している場合(以前、任意保険の加入率は8割程度だときいたことがあります。)、相手方の保険会社の担当者が示談の連絡をしてきます。保険会社の担当者からの提案が納得できるものならば問題ありませんが、提示額に納得できず、トラブルになることも少なくありません。

 ここで、示談のメリットは、比較的短時間で解決できること、費用がかからないことがあげられます。

 裁判になると、判決まで通常1年ほどかかります。過失割合や後遺障害の程度など、難しい争点が多い場合は、2~3年ほどかかることもあります。また、弁護士に依頼した場合は、弁護士費用も捻出しなければなりません(もっとも、こちらに過失がない場合で弁護士費用特約がついていれば、弁護士費用の点はクリアできます。)。

 もっとも、後遺障害慰謝料や死亡慰謝料に不満がある場合は裁判に適しているといえるでしょう。なぜなら、後遺障害慰謝料や死亡慰謝料には、自賠責保険基準、任意保険基準及び裁判所基準の3つの基準があり、慰謝料額は、自賠責保険基準<任意保険基準<裁判所基準となっているからです。

 たとえば、後遺障害慰謝料は、自賠責基準の場合、第1級:1600万円~第14級:32万円ですが、裁判所基準の場合、第1級:2800万円~第14級:110万円となっており、2~3倍近くの差が生じています。

 目安としては、加害者側からの提示額と被害者側からの請求額の差が100万円以上であれば、裁判を検討されることをお勧めしますが、裁判が長引けば、その分遅延損害金が増えていくものの、現実的回収は遅れますので、早期和解等も視野に入れて解決時期を判断していく必要があるでしょう。

 なお、治療費や通院交通費は実費ですから、保険会社が認定しても裁判所が認定しても金額に差は生じませんので注意が必要です。