最近、NHK会長の辞表預り問題が大きなニュースとなり、『パワハラ』という言葉もよく聞くようになりました。
当事務所の相談でも、パワハラを受けた、というご相談は毎月一定数あります。そこで、今日はパワハラについて考えてみたいと思います。
いわゆる『パワハラ』は、一般的に以下の6類型を典型例として考えます。
- 身体的攻撃…暴行や傷害など
- 精神的な攻撃…脅迫・名誉棄損・侮辱・ひどい暴言など
- 人間関係からの切り離し…隔離・仲間外し・無視
- 過大な要求…業務上明らかに不要なことや遂行不能な事の強制・仕事の妨害
- 過少な要求…業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと
- 個の侵害…私的なことに過度に立ち入ること
ご相談を受けている中で比較的多いのが、ご相談者様に、上司から叱責を受けるような何らかの理由が存在している場合や、上司が単に口が悪い場合などです。このような場合は、残念ながらパワハラとは言えません。
また、パワハラ=損害賠償、慰謝料という勘違いをされている方も多いですが、例えパワハラが存在したとしてもすぐに慰謝料を請求できるとは限りません。
パワハラに該当するか否かは、単純にこのような事実があれば足りる、というものではなく、職場の規模、人間関係や相手との関係性、性格、これまでの経緯など様々な事情を考慮する必要があると思います。
また、証拠の有無も重要なポイントになってきます。
まずは相談をしてみてください。
弁護士 井上真理