3 適切な損害賠償を受けるために

 このように、因果関係が認められるのであれば、旅行をキャンセルしたことによる損害賠償もある程度は可能ですが、賠償を認めてもらうには、とにかく旅行をキャンセルしなければならなかった事情や、キャンセルによって発生した損害についてしっかりと立証しなければなりません。特に、治療費や休業損害と異なり、旅行のキャンセルというのは、交通事故被害者の多くに生じる事情ではないため、これを請求する場合はより綿密な立証が必要になってくる可能性があります。
 このような立証活動を一般の方が行うのは非常に困難ですし、労力がかかりますので、適切な賠償を受けたいときや、どのような損害を賠償してもらえるのか知りたい場合は、是非とも交通事故に強い弁護士等の専門家にご相談することをお勧めします。

 最近は、どこの保険会社との契約でも弁護士費用特約という特約が含まれており、弁護士費用を被害者の加入する保険会社が支払ってくれることも多いため、ご自身が弁護士費用特約に入っている場合は、尚のこと、一度弁護士に相談してみるといいと思います。