不動産登記を見る機会は、人生において案外あるものです。一定割合の人は、人生のどこかで不動産を購入することがあるでしょうが、そういった時には購入予定の不動産の登記を予め確認するのがいいでしょう。その他、相続の際にも取り寄せて見てみることがあるでしょうし、興味本位で調べてみることも悪くはありません。
ただ、ペラっと眺めてみても、基本的な見方がわからなければ、何が何だかといったことになってしまうでしょう。
不動産登記の記載は、ざっくり表題部と甲区、乙区の3つに分かれます。
表題部は、当該不動産の概要を表しており、土地なら「所在・地番・地目・地積」といった項目が、建物なら「所在・家屋番号・種類・構造・床面積」(集合住宅の場合には、「一棟の建物の表示」という欄と、「専有部分の建物の表示」という欄に分かれることもあります。)といった項目が、記載されています。これは、すなわち当該不動産を特定するデータでもあります。
甲区は、当該不動産の所有権に関する事項が記載されるところです。これまで及び現在の所有者、所有権移転の年月日と原因といったことがわかります。甲区欄記載の現在の所有者が、つまり不動産の所有者です。
乙区は、当該不動産に対する所有権以外の権利に関する事項が記載されるところです。抵当権、賃借権、質権、先取特権などです。各種権利間の優劣は法律で定まりますが、同種の権利の優先劣後は登記上の順位に従います。欄の上の方ほど順位が若くなります。
抹消事項については、コンピュータでの管理化以前の時代はバツで示されていたようですが、現在は下線部を引くことで示されます。登記を見るときは、抹消されているものについては除外して見ることとなります。