今回は、会社の商号に使える文字についてお話したいと思います。

 従来から、定款で定める商号にローマ字等を用いることは可能とされていました。しかし、商業登記規則等により、登記上はローマ字等を用いることができませんでした。そのため、定款上は商号中にローマ字を使い、登記上はその部分がカタカナで表記されている会社がありました。

 この点、平成14年の商業登記規則等の改正により、商号の登記についてもローマ字その他の符号を用いることができるようになりました。

 具体的には、ローマ字、アラビヤ数字、アンパサンド(「&」)、アポストロフィー(「‘」)、コンマ(「,」)、ハイフン(「―」、ピリオド「.」)、中点(「・」)が使用できるようになりました。ローマ字は、大文字でも小文字でも使用することができます。
 また、それまで、株式会社○○について、「株式会社」と「○○」の間にスペースを入れることはできませんでしたが、ローマ字を用いて複数の単語を表記する場合には、単語の間を区切る為にスペースを入れることもできるようになりました。

 現在では、ローマ字と日本文字を組み合わせた商号も登記上よく見られます。私はまだ見たことはありませんが、「1234株式会社」など、数字だけの商号を登記することもできるということになります。

 ただし、英文の商号と日本文字による商号を併記して登記することはできません。たとえば、「株式会社弁護士法人ALG Avance Co.ltd」として登録することはできません。

また、「Avance(弁護士法人ALG)株式会社」のように、ローマ字読みを括弧書で併記して登記することもできません。

 ローマ字等が登記に使用できるようになり、便利になりましたが、インターネットビジネスなど、英文の商号が必要になる場合もありますので、併記ができないとまだまだ不便なこともあるように感じています。