1 日弁連選挙の影響
今回、日弁連の会長選挙で宇都宮弁護士が当選し、会長就任が決まりましたが、不動産業界にどのような影響が及ぶのでしょうか。
宇都宮弁護士と言えば、我々の業界では、「債務整理」で有名ですが、不動産業界にも影響が及びそうです。
というのは、この不況の折、滞納家賃が増加して督促が厳しくなっていることが社会問題化しつつあるからです。
家主や不動産業者の督促を規制することを視野に入れた「督促規制法」の立法化も顕在化しています。
2 宇都宮弁護士のスタンス
週刊全国賃貸住宅新聞2010年3月29日号で宇都宮弁護士に対するインタビュー記事が一面トップで紹介されていました。
宇都宮弁護士は、同紙の取材に対して、「家賃ならば法的手続きによらない強引な督促が許されるのかというと、やはりダメだろう。借り主の私生活は守らなければならない」と答えています(前掲同紙)。
また、督促規制法については、「日弁連から政省令の制定の段階で提案・提言を出す可能性はある」と述べています(前掲同紙)。実は貸金業規制法が制定された時も、日弁連が政省令を制定する段階で詳細な提言を行ったという過去があるので、家賃の督促でもこの動きは十分ありえますね。
不況の中、滞納家賃が経営上深刻な問題になっていることはよくわかるのですが、管理会社・家主・保証会社による強硬な取立行為が問題視されていることから、コンプライアンスを検討しなければいけない時期にきていると思います。規制が強化されてまうと、却ってビジネスもやりにくくなりますので。