弁護士 金 崎 浩 之



 最近、家賃の保証業務を営んでいる企業からの顧問依頼やスポット案件の依頼が私たちの事務所にもたくさん寄せられるようになってきました。

 おそらく、家賃保証というビジネス自体は最近始まったものではなく、昔からあったと思います。でも、家賃の保証業務を営んでいる会社からの問い合わせが近時急激に増えたということは、推測ですが、家賃保証ビジネスの市場が急速に成長しているんだと思います。
 家賃保証のビジネスをしている企業の中には、従来の不動産業者が業務拡大の一環として行っている場合もあれば、ほとんど家賃保証を主たる業務にしている場合すら見受けられます。

 では、仮に家賃保証ビジネスの市場が成長過程にあるとするならば、それはどうしてなのか、私なりに仮説を立ててみました。
 第1に、核家族化と相まって、親族間の関係が希薄になり、賃貸物件を借りるときに保証人をつけられない人が増えてきたという仮説が考えられます。別に、経済力がないからではありません。要するに、親・兄弟でさえ頼みにくくなっている…。このことは、高級賃貸物件であっても、家賃保証のニーズがあることを意味します。
 第2に、支払意思・能力の乏しい保証人を表面上つけるより、保証会社に保証してもらったほうが、物件のオーナーにとってはよほどリスク・ヘッジになるという仮説が考えられます。従来から、親族が保証人であれば、借主が賃料不払いをおこした場合、何とかしてくれる…。また、借主も親族に迷惑をかけたくないので、できるだけ賃料不払いをおこさないようにしようというブレーキがかかる…。こんな期待があるから、親族の保証人が好まれるわけですね。でも、実際に賃料不払いが発生しても、何もしてくれない保証人がほとんどのようです。親族だということで、けっこう無責任に保証人になっているんです。加えて、保証人をつけることが自己目的化してしまい、ふさわしくない人物でも親族であればとりあえず保証人なんてケースもあります。以前、私がある賃貸物件を借りたとき、保証人は私の父親でした。弁護士である息子が支払う家賃について、年金暮らしの父親が保証するなんて滑稽だと思いませんか(笑)。私の父親は自分の生活で精いっぱいなのにね…。そんな形骸化した仕組みより、保証会社に保証してもらったほうが全然まともです。

 このように、家賃保証ビジネスの市場が拡大する背景は十分存在しているように思います。
 そして、こうなると、さらに市場拡大に拍車がかかると思います。というのは、賃貸物件のオーナーさんも、従来の保証人より保証会社のほうがいいことに気づくわけですから、積極的に保証会社を利用しようというオーナーさんが増えていくはずです。
 実際、私の調査だと、ちゃんと保証人になってくれる親族がいる借主に対しても、「保証会社の家賃保証をつけてくれ」というオーナーさんが増えているからです。

 今後、ますますこの市場が拡大していくのではないかと思います。