弁護士 前田瑞穂

 

 こんにちは、弁護士の前田です。

 今日は、公正証書について、お話しします。

 

1 公正証書とは。

(1) 公正証書は、法務大臣によって任命された公証人が、その権限に基づいて作成する文書なので、公文書にあたります。

  この点、私人間の合意で作成する契約書や合意書といった私文書の場合は私文書の内容や成立を証明しなければ証拠にはできませんが、公正証書の場合には公正証書に記載された内容や成立が公に証明され、真正に成立した公文書であることの証明をする必要がないことになります。

(2) また、公正証書の中に「強制執行認諾条項」を入れた場合、その公正証書には「執行力」があります。

   そのため、公正証書があれば、裁判を起こして確定判決をもらわなくても強制執行が出来ることになります。

   私文書である契約書や合意書しかない場合、裁判を起こして勝訴判決を受け、これが確定して初めて強制執行の手続きに入れるのです。場合によっては、確定判決を得るまでに第1審、控訴審、上告審と進んでいく場合もあり、費用と時間がかかります。

   これに対して、強制執行認諾条項を入れた公正証書を作成すれば、このような裁判を経ることなく強制執行が可能となるため、債権者にとっては非常に有効な書面です。

(3) このように、債権回収のために公正証書を作成することはかなり強力な手段の一つといえます。

 

2 公正証書作成。

(1) まず、公正証書を作成する場合には、当事者全員の合意が必要です。

(2) 次に、公証役場から指示される書類を提出することになります。

   たとえば、個人の場合には身分証明書・印鑑証明書・実印等、法人の場合には資格証明書・印鑑証明書と代表印等が必要です。また代理人に公証役場に出頭してもらうことも出来、その場合には本人名義で実印での捺印のある委任状や、代理人の身分証明書・印鑑証明書等が必要になります。

   これら、必要書類に関しては作成時に公証役場に聞いていただき、必要な書類一式をそろえるようにしましょう。

(3) 公正証書は原本・正本・謄本があります。

   原本は、紛失や偽造防止のため、原則として20年間公証役場に保存されます。

   そして、通常、公証人は嘱託人又はその承継人の請求により正本を権利者に、謄本を義務者に交付します(双務契約の場合は、双方が権利者のため、双方に正本が交付されます。)