2 宮城県のネット関連業者、4ヶ月の業務停止

 2009年9月3日付の日経新聞(朝刊)に、あるネット関連業者が、連鎖販売取引で強引に勧誘したこと等が原因で、宮城県から4ヶ月間の業務停止命令を受けていた記事が掲載されていました。
 同紙によると、その会社のビジネスモデルは。

・業務停止を受けたその会社が募集したインターネット上の仮想空間のオープンメンバーに、代理店契約を結ばせてビジネスキットを30万円~40万円で販売する。
・そして、代理店契約を締結した契約者が、また別の人にそのキットを販売すれば、人数に応じてボーナスが得られる。

 要するに、いわゆるマルチ商法です。まあ、ここまでは何とか適法ですよ。
 でも、問題はその先です。このようなビジネスモデルは機能させるのが難しいんですね。
 そもそもこのビジネスモデルで想定されているのは、このビジネスキットを必要としている人ではないと思います。他人に売却すれば、ボーナスが得られるわけですから、購入者は、転売することを前提にこのキットを購入するはずなんですね。したがって、購入者自身は、そのキットを必要としていないわけです。
 そうすると、購入してしまった人は、自分で持ってても仕方がないのでまた別の人に売却したい、でも売りつける相手もやっぱり必要としていない、だから無理な勧誘に走る、そうしないと売れないわけです。そこで、特定商取引法違反でやられてしまいます。

 実際、この事案でも、契約者が次の購入者に売りつけるために、長時間説得したり、消費者金融から借り入れることを促したりと、かなり強引な勧誘がなされていたそうです。
 同紙は、「宮城県によると、国民生活センターには8月末までに、同社に関する相談が46都道府県から約870件寄せられている」と報じています。
 特定商取引法違反になるような勧誘方法をしなければ、成立しないビジネスモデルは、それ自体無理があります。弁護士に相談しても解決できません。
 「やめたほうがいいですよ」と助言されて終わりです。