1 改善は日本の文化

 改善という言葉は、日本人にとっては日常生活に溶け込んだ言葉で、別段目新しいものではありません。
 しかし、改善に相当する英語はないそうです。私は、改善を英語で表現すると、”improvement”というのかと思ってましたが、正確ではないようです。

 そもそも日本語の改善には、ニュアンスとして”繰り返される”という意味が含まれているとか。1回しかやらないものは、改善とは言わないそうです。
 ところが、英語のimprovementには、繰り返されるというニュアンスは入っていないということです。
 そうだとすると、日々改善を繰り返す日本人の行動原理は、日本人の文化的行動様式と言えるかもしれません。

 そういえば、あのトヨタ自動車は、”改善”で世界的に有名な会社でもあります。
 なぜかというと、グローバルに活躍するトヨタ自動車が、改善という企業文化を欧米に広め、Kaizenという英語にしてしまったからです。

2 企業の改善

 タイトルの「今日の我は、昨日の我に勝つ」という言葉は、江戸時代のある剣術家の奥義書に出てくるそうです。
 意味は、今日の自分は、昨日の自分よりも少しでもいいから強くなっていなければならないという意味です。
 毎日毎日、今日の自分が昨日の自分よりも強くなっていれば、それってまさに改善ですよね。

 ちなみに、毎日、たった1%ずつ自己を改善したら、1年後にどのくらい改善されたことになるでしょうか。簡単な算数です。1.01の365乗ですから、答えは37.78になります。約38倍ですね。そうです。毎日、1%ずつ成長すると、複利の効果で1年後には38倍の成長を遂げてしまうんです。凄いと思いませんか?

 これを会社が自社の企業文化にできればすごいと思いますよね。職員各人がそれぞれ38倍もの改善をたった1年でできるとしたならば、それだけでどこにも負けない競争優位になりそうです。
 どうりでトヨタが強いわけです。

 我々弁護士法人ALGも、改善を企業文化にできるような法律事務所にしたいと思います。