弁護士  金 崎 浩 之


今日、弁護士法人ALGの新年総会がありました。

弁護士法人ALGでは、毎年、1月の下旬に新年総会をやるんですね。新年というにはちょっと遅いんですけど、年明けってバタバタしていて忙しいんですね。だから、新年総会の準備をしている暇がない。年が明けて一息ついて新年総会をやるわけです。

新年総会で何をやるのかというと、要するにビジョンを語るんです。

弁護士法人ALGには、「弁護士法人ALG・ウェイ」という企業理念があります。

経営者には、いろいろなタイプがいると思いますが、私の場合は、理念がなければ頑張れない。「儲かればいいや」だけでは突き進めないたちなんです。
加えて、理念は、その事業の存在理由、組織の道しるべとなるものですから、集団を束ねるためには不可欠である、というのが私の信条です。

弁護士法人ALG・ウェイは、
・顧客感動の実現
・プロフェッショナリズムの追求
・自己実現という価値観の共有
の3つから構成されています。

弁護士法人ALGは、弁護士を主戦力とする法律事務所であり、プロフェッショナル集団です。
そして、クライアントの深刻な問題を解決するという、実に誇れる仕事です。だから、目標として、顧客満足だけでは足りない。顧客感動まで達成しないと本物ではない。このような信念から、顧客感動を目標に掲げました。
そして、そのためのアプローチとして、プロフェッショナリズムの追求と、自己実現という価値観の共有を採用しました。

プロフェッショナリズムの追求なんて法律事務所なんだから当たり前ではないかと思う人もいるかもしれませんが、実は、弁護士業界では当たり前ではないんです。
私たちの業界では、「何でも屋」、「万屋」が当たり前なんですね。
だから、「本物のプロになるんだ!」と常に自分に言い聞かせないと、何でも屋になっちゃうんです。好きな事件、おもしろそうな事件をえり好みしていたほうが楽ですからね。いろんな事件を経験した方が新鮮だし、飽きないわけです。
だから、プロフェッショナルへの道は、強く自覚しないとだめなんです。

自己実現という価値観の共有を掲げた理由は、プロとしての生きざまを通じて自己実現を図るという気概がないと、結局、生活のため、お給料のための仕事になってしまう…。それでは、プロとして一流の仕事はできない、仕事が自己実現と結び付くと言うことは、それだけ情熱がある、その仕事が好きである証拠だと考えるからです。

ということで、生意気にも企業理念を掲げてみたんですが、実際、理念で組織を束ねるのってけっこう難しいということが最近になってわかりました。
「理念なんて建前に聴こえるから」ではありません。どんなに熱く語っても興味を示さない人って確実にいるんです。
というか、興味を示さない人のほうが多いですね。

たとえば、弁護士の中には、弁護士になった理由が、
・普通のサラリーマンよりも収入が多い。
・女の子にもてる(これは幻想なんですが…)。
・自由で組織に縛られない。
・世間から「先生」と呼ばれてちやほやしてもらえる。
・司法試験に受かったんですか、すごく頭がいいんですね、と言われたい。
ということが大きな動機だという人がいるんですね。というか、もしかすると多数派かもしれません。

そうすると、私が理念を掲げたくらいで、これを変えるのは大変なことなんです。そう簡単には変えられません。

だから、若い弁護士にそこそこ自由を与えて、個人事件という小遣い稼ぎも許可する、その代わり事務所の仕事はさぼらないでね、という具合に、適度に居心地のよい環境を与えて、弁護士の流出を防ぐという法律事務所は大変多いんです。

でも、私の信念はそれを許しません。弁護士の仕事は、趣味や道楽ではありません。私たちの仕事は、弁護士のためにあるわけじゃない。顧客のためにあるんです。それがプロフェッショナルの基本的な姿勢だと思います。

その結果、そのような理念に共感できない弁護士はどんどん退職していきます。でも、私はそれでもいいと思っているんです。
結果的に、理念に共感を覚え、価値観を共有できる仲間だけが残れば、強い組織になると信じるからです。

なので、これからも、弁護士法人ALG・ウェイを語り続けるつもりです。