職場における性的言動(以下「セクハラ」)が問題視されるようになってから既に相当の年月が経ちましたが、現在もセクハラ被害はなくなっていません。そこで、今回は、職場におけるセクハラの防止に関する事業主の義務について紹介することにいたします。

 まず、雇用機会均等法は、職場におけるセクハラに起因する問題に関して雇用管理上必要な措置(以下「セクハラ防止措置」)を講じる義務を事業主に課すとともに、事業主がセクハラ防止措置を実施するための指針(以下「セクハラ指針」)を厚生労働大臣が定めるものとしています。すなわち、セクハラ指針に沿ってセクハラ防止措置を講じることが事業主の義務とされているのです。そして、セクハラ指針においては、概ね次のような内容の10項目の措置が定められております。