こんにちは。
 皆さんは、結婚して夫の名字になった時、どんな気持ちでしたか。その時は好きな彼と同じ名字になって幸せ…だったかもしれません。
 でも、最近扱った離婚事件で、何人かの依頼者が「もう夫の名字でいるのもイヤだ。」ということをおっしゃっていました。たしかに、そうですよね。

 そこで今日は、離婚と氏(名字)のことについてお話したいと思います。

 離婚したら、妻の名字はどうなるのでしょうか。

 結論から言えば、結婚した時に夫の名字に変更した妻は、当然に、結婚前の名字に戻ります。

 また、それとともに、結婚によって夫の戸籍に入籍していた妻は、結婚前の戸籍(たいてい、自分の親と一緒の戸籍)に戻ります。

 では、子どもの名字はどうでしょうか。

 私の依頼者(母親)の中には、子どもの親権を取ったら、子どもも自然に母親と同じ名字になるものだと思っていらっしゃる方がいました。
 しかし、そうではありません。

 調停離婚であれ協議離婚であれ、離婚の成立とは別個に、子どもについて名字を変更する手続が必要です。子どもは、母親のように離婚によって当然に名字が変わるというわけではないのです。

 子どもの名字を変更しなければ、たとえ母親が親権を取ったとしても、基本的には、子どもは結婚していた時と同じように父親の名字を名乗り続け、父親の戸籍に入ったままになります。

 子どもの名字の変更は、家庭裁判所に「子の氏(名字)の変更許可申立て」をして行います。子どもの名字を母親の名字に変更する許可が出されたら、市役所、区役所等で母親の戸籍に入る届出をして、子どもの名字を変更することになります。

 結婚で名字が変わることって、最初はうれしいかもしれませんが、子どもが生まれ、離婚を考えるようになると、だんだん名字に縛られているような感じになるようですね。依頼者の話では、離婚して自分の名字が旧姓に戻るのもうれしいけれど、父親(夫)を好きでなかった子どもも、自分の名字が母親の旧姓に変わるのをすごく喜んでいたそうです。