最近、婚姻届けを出さずに、実質的な夫婦として生活をする方が増加しているという話をよく耳にします。内縁を定義すると、「婚姻の実態を有する男女間の関係であり、婚姻の届出という手続きを欠くため、法律上の婚姻が成立していない関係」ということになるそうです。そして、内縁関係は婚姻に準ずるものとして、共同生活の存在を前提として認められる婚姻の効果を及ぶと考えられています。

 婚姻の実態って?婚姻に準ずるって? 正直、あいまいなものだと思います。裁判では、このあいまいな基準をクリアする関係の立証を求められます。当の本人たちは、互いの関係を形にすることまで気が及ばず、信用のもとに共同生活を送っているのが普通でしょう。しかし、内縁の解消や相手の死亡という事態になった時には、手遅れです。

 そこで、裁判ではどのような事実が考慮されるか、いくつか挙げてみます。内縁関係として婚姻関係と準じた保護を受けるのか、同居人に過ぎないのか、以外に内縁関係のハードルは高いと思います。思い切って、婚姻届けを提出するほうが楽かもしれません。

① 結婚式
② 同居の事実、同居期間
③ 同居する住宅購入、賃貸
④ 生活費の一方負担(光熱費、家賃、保険等の支払い)
⑤ 住民票で同一世帯となっていること
⑥ 年金で第3号被保険者になっていること
⑦ 健康保険で被保険者となっていること
⑧ 親や親族、友人、職場への妻もしくは内妻として紹介していたこと
⑨ 非嫡出子の存在
⑩ 生命保険の受取人であること