平成25年1月1日より、それまでの家事審判法に代わり、家事事件手続法が施行されることとなりました。
 新法は旧法より色々と改正された点がありますが、今回は本案前の保全処分を取り上げようと思います。

 当座の生活費にも困窮して、急ぎ相手方より支払ってもらわなければならないなど、悠長に本案の結果が出るのを待っていられないようなケースの時には、必要性を疎明することで保全処分を受けることが、従来より行われていました。ただ、これまでは、本案となる申立てが審判の時にしか、保全処分は認められていませんでした(家事審判法15条の3第1項)。

 この点につき、家事事件手続法では、一定範囲の事項については、審判でなく調停を申立てた場合でも、保全処分を行うことを認めるように改正されました(家事事件手続法105条)。婚姻費用や監護権など、家事事件に関する基本的な紛争要因もここに含まれます(同157条)。

 お金のことも、子どものことも、少々時間がかかっても、話し合えば案外円満に解決したりします。ただ、今までは、その「少々の時間」を惜しんで審判を選ばざるを得なかったということもあったと思います。審判となれば、話し合いではなく裁判官に決めてもらうこととなるため、紛争の実態と法的手続との相性が悪かったケースがあったかもしれません。

 今回、家事事件手続法で手続の利用の便が上がったことで、より便利で柔軟な家事紛争の解決ができるようになったと思われます。