離婚手続には、大きく分けて協議離婚、調停離婚、裁判離婚があります。
 (その他、少数の審判離婚があります。)

 離婚の成立は、協議離婚と、調停及び裁判離婚とで異なります。

 協議離婚において離婚が成立するためには、双方の離婚意思が合致したことに加えて戸籍法に基づく届け出、つまり離婚届の提出が求められることとなります。

 離婚届は、本籍地又は届出人の所在地の自治体に対し提出することとなります。用紙は、役場の窓口で入手するほか、現在ではウェブサイトからダウンロードできるようにしている自治体もあるようです。なお、本籍地以外の自治体に対し届を行う場合には、戸籍謄本の添付を求められる場合があるようですので、注意が必要です。

 提出は郵送または第三者を介して行うことができます。ただ、提出の際には本人確認が必要となりますので、身分証明書を忘れず持参することが大事です。

 裁判離婚の場合には、判決の確定によって離婚が成立します。調停離婚の場合には、調停離婚の成立を記載した調書に確定判決と同一の効力があるため(家事審判法21条1項)、調停成立によって離婚が成立します。正確に述べると、裁判は確定を待たなければなりませんが、調停は記載がなされることで直ちに効力が生じるという微妙な違いはあります。

 こちらにおいては、離婚届の提出は離婚の成立要件となっていません。

 上記で述べたように、協議離婚においては離婚届の提出が離婚成立の要件となっています(創設的届出)。

 対して、裁判離婚や調停離婚においては、離婚届の提出に離婚成立の要件としての効力はなく、既に離婚が成立した旨の届出に過ぎないということとなります(報告的届出)。ただ、訴えの提起者又は調停の申立人は、判決確定又は調停成立の日から10日以内に、判決謄本、確定証明書や調停調書などの必要書類を添付して届出を行わなくてはなりません(戸籍法77条、63条1項)。この者が10日以内の届出を怠る場合には、相手方も届出を行うことができるようになります(戸籍法77条、63条2項)。