(3)婚姻費用は具体的にいくらの金額となるのか

 裁判所が公表している「養育費・婚姻費用算定表」に基づいて、大体の月額の目安が算定できます。ただし、事情により上記算定表上の金額に修正がなされる場合もありますので、詳しくは弁護士に御確認下さい。

(4)婚姻費用はいつまで払い続けなければならないのか

 婚姻費用は、たとえ別居していたとしても離婚しないかぎり払い続けなければならない性質のものです。

(5)婚姻費用を支払わなければどうなるのか

 調停の申立てがなされます。調停への呼び出しを無視すると、審判手続に移行し、審判書を債務名義として、強制執行がなされる可能性が高いです。
 婚姻費用のような扶養義務を根拠とする金銭債権の執行は、支払い期限が到来していなくとも将来分について強制執行が可能です。差押禁止の範囲も一般債権と比べ狭く、より広い対象について強制執行をすることができます。

婚姻費用を請求させないようにする方法はあるか

 理屈の上では、離婚協議書等の形で、婚姻費用を放棄させる旨の文言を入れ、合意がなされる等すれば、婚姻費用を請求させないようにすることは可能と思われます。
 ただし、婚姻費用は一方配偶者の生活の基盤となる重要な権利ですから、請求権の放棄は慎重に判断される傾向があります。

2 養育費について

(1)養育費とは何か

 子供の監護養育に要する費用をいいます。

(2)養育費は誰から誰に支払われるのか

 非監護親から監護親に対して支払われるのが通常です。

(3)養育費は具体的にいくらの金額となるのか

 婚姻費用と同様です。

(4)養育費は婚姻費用と比べると金額は安くなるのか高くなるのか

 一般的には、安くなります。

(5)養育費はいつまで払い続けなければならないのか

 原則としては、こどもが成人するまでは支払わなければなりません。
 「子供が大学を卒業するまで養育費を払う」という取り決めがなされる場合もあります。

(6)養育費を支払わなければどうなるのか

 婚姻費用と同様の処理がなされます。

3 養育費と婚姻費用の関係について

 以下の表のようにまとめられます。

離婚前 離婚後
婚姻費用 請求可 請求不可
養育費 請求不可 請求可