しかし、不貞行為から離婚まで長い期間が経過した場合には、不貞以外のすれ違いなどによって離婚に至ったとも考えられるため、そもそも不貞行為によって離婚に至ったと判断されないリスクもあります。また、裁判例が不貞自体と離婚による損害を区別しているとすれば、不貞自体の慰謝料は時効によって消えてしまうことになりますので、離婚後に慰謝料が認められても金額が減少する可能性もあります。

4 時効期間を延長するためにはどうすればよいか?

 慰謝料の支払いや離婚を先延ばしにしたいけれども有責配偶者からの慰謝料を確保したいという場合にはどうしたら良いでしょうか。
 この場合には不貞の事実を認めた上で一定額の慰謝料を支払う旨記載した合意書を作るべきです。合意書を作成すれば時効は10年間延びますので、ある程度時間的余裕が生まれますし、将来慰謝料の支払いを受ける際には合意書自体が強力な証拠になります。

5 不貞を知った場合には必ず弁護士に相談するべき

 配偶者の不貞行為を知った場合にはかなりの精神的ショックが伴いますが、まずは弁護士に相談するべきです。正確な知識に基づく対処方法を知ることで、消滅時効等によって大きな損害を被ることを避けることができます。