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 上記東京高等裁判所平成26年11月26日決定は、事情の変更がある度に逐一婚姻費用分担金の額を変更しなければならないとすることは、当事者双方の安定した生活を一方的に不安定なものとする結果となり妥当でないから、安易に事情の変更による婚姻費用分担金の減額を認めることはできない、という考えを前提に、婚姻費用分担金の減額を認めるか否かを判断するためには、夫婦双方の収入状況のみならず、夫婦の生活状況や経済状況に大きな影響を与える諸事情に加え、収入減少を予見していたか等の事実についても審理しなければならない、との見解を示したといえます。

 婚姻費用分担金の減額を請求する際、裁判所に減額が相当であると判断して頂くために、何を主張しどのような資料を提示するべきかを検討する上で、非常に参考になる決定といえるでしょう。