同居を求める調停・審判

 まず、同居の調停・審判という手続があります、別居している夫婦の一方が他方に対して同居を求めるものです。ただし、仮に審判で、同居を命じる審判が出たとしても、これを強制的に実現することはできないとされています(大決昭5・9・30)。そのため、同居を実現するためには、当事者本人が、同居の必要性を認識し、互いが協力することが不可欠となってきます。

 他には、同居拒否が、被扶助者の帰責事由による場合、婚姻費用の請求権が認められない場合があります。また、離婚原因(悪意の遺棄、民法770条1項2号)となる場合があります。

 同居義務違反を主張した、又はされた場合であっても、事案によってはたいしたことのない問題の可能性がありますし、十分な対策を練る必要がある可能性もあります。別居した後に相手から同居義務違反と言って脅された方、ある日突然配偶者が出て行った方、専門家に相談してみてはいかがでしょうか。

弁護士 江森 瑠美