11月22日は暦上「小雪」でしたね。雪が降り始めることという意味のようですが、東京では、まだ、降りそうにはないですね。だいぶ寒くなってきましたが。

 さて、今回は、早期に離婚をした場合、婚約指輪や結納金は返さなくてはならないのか、などといった問題について考えてみたいと思います。

 早期に離婚をした場合、婚約指輪を返せ、結納金を返せ、結婚式費用の半分を支払え、などと主張するご主人方がいるそうですね。まあ、このようなことを言いたくなるご主人の気持ちも分からなくはありませんが。

 結納金や婚約指輪は、婚姻を成立させるための約束のようなものでありますので、婚姻届が役所に出され、無事に婚姻した場合には、その役目は終えると考えることができます。そうすると、既に、結納金や婚約指輪は、役目を果たし終えたわけですから、一方から、返せ、という要求を受けたとしても、返す必要はないと考えられます。

 財産分与の観点からも、返還の必要性はないと考えられます。すなわち、財産分与とは、夫婦が婚姻中に築きあげた財産を分けましょうというものです。結納金や婚約指輪は、婚姻中に築き上げたものではありませんので、返還請求は認められないことになります。

 しかし、結納金については返却の必要はありませんが、結納金で購入した家具は、夫婦が共同生活していく上で必要なものとして、共有財産と扱われるでしょうから、結局、財産分与をしなければならなくなる可能性があります。

 この点は、ご注意ください。ただし、結納金が家具になってしまっている場合、どこまで分与をするのかという問題はありますね。

 では、結婚式の費用や新婚旅行の費用を夫婦の一方がすべて支出した場合、又は一方が多く出した場合、この半分を請求することはできるのでしょうか。

 この点についても、明確な裁判例は、私の知る限り、ありません。

 私は、結婚式費用も、新婚旅行費用も、例えば、2人で食事に行ったときにどっちが飲食代を支払うか、という問題に似ていると思います。結婚式費用や新婚旅行費用について、夫婦で折半し、多く出した方が貸し付けるというような合意がない限り、支出した者が支払う合意があったと推定されたり、贈与のあったものとみなされたりするものと思われます。

 そのため、結婚式費用も新婚旅行費用も、半額の支払い請求を受けたとしても、これに応じる必要はないと考えられます。

 その他、これはどうなのだろう?という疑問がありましたら、弁護士にご相談ください。

弁護士 松木隆佳