こんにちは。
先日、朝のNHKの番組を見ていたら、テロップに「高齢者のストーカー」がテーマとして挙がっていました。私はその後出勤したので、「高齢者のストーカー」についてのコーナーを見ていないのですが、ふと、「やっぱり増えてるのかな~」と思ってしまいました。というのも、最近、高齢者の男女交際のもつれの相談が多く、中にはストーカーのようになって困っているという相談もあるからです。

相談された案件が「ストーカー」と言えるものだったかどうかは定かではありませんが、放っておくといわゆるストーカーになってしまうかも、と感じるものもありました。高齢者の場合、若い人ほど体力はありませんから、ストーカーする側が力技で対象者を傷付けるリスクは少なそうに見えますが、対象者の方も体力はありませんから逃げようと思ってもすぐには逃げられず、怪我をするリスクは若い人同士の場合とそうそう変わらないのではないかと思います。そしてストーカーの方法は力技だけではなく、言葉による脅しなどもありますから、高齢者だからといって安易に放置はできないのです。
高齢者ストーカーについては、警察の対応も「おじいちゃんとおばあちゃんのことだから…」といってリスクを軽くみているのではないかと感じたこともあります。たしかに高齢になってからの恋愛には、ほほえましい面もありますが…。
そういう場合には、弁護士が早めに介入して、相手に、迷惑していることを明確に伝えることで、事態が好転することもあります。

また、高齢者の男女問題においては、その高齢者の子どもたち世代までかかわってくることが特徴的です。
中には子どもたち世代が高齢者の恋愛を応援していることがあり、応援しているうちに、自分の親だけでなく交際相手の高齢者の世話までしてしまう人もいたりします。これは一見、親世代と子世代が仲良くやっていて良いように思えますが、自分とは血縁関係のない交際相手の老後の世話(介護含む)まで、事実上、責任を負うような形になったりしているので、リスクもあります。
つまり、交際がうまく行っている間は良いのですが、高齢者が交際相手の子世代を頼りすぎていると、交際が終わった場合でも、その交際相手を放置するわけにいかなくなりかねないのです。また、好意で交際相手の高齢者のお世話をしている最中に、その高齢者を怪我させてしまったりすることもありえます。思わぬ法的責任を負うことになりかねませんので、子世代の好意もほどほどに、ということです。

NHKの番組がどのようなものだったかは知りませんが、「高齢者のストーカー」ときいて、いろいろと思うところがありましたので、書いてみました。
高齢者の恋愛問題は、若い人の恋愛とは違った難しさがありますね。