こんにちは。
 弁護士の井上真理です。
 当事務所に相談に来られる方の中には、漠然と「弁護士に相手を叱ってほしい」「相手に謝らせたい」「ぎゃふんと言わせたい「目の前での土下座を求めたい」というようなご相談、ご要望も多数あります。
 そこで、今日はこのような相談についてお話いたします。

 弁護士は法律というツールを使ってご依頼者様のために交渉、調停、訴訟等を行い、ご依頼者様の抱える問題を解決し、求める利益をできる限り獲得できるようにお手伝いします。
 しかし、相手に謝罪させることや後悔、反省させることは相手の感情を求めることであり、法律的な解決ではないため、強制することが出来ず、非常に難しいものです。
 そこで、このような場合、謝罪や誠意の表れとしての金銭の支払いと言う形の解決が一般的になります。

 実際、日常生活とはケタの違う金銭を支払わされた人は、その臨時出費によりしばらくは苦しい思いをすることになるでしょうし、その原因となった行為を反省、後悔するでしょう。また、金銭を受け取った側は、その原因となった行為をなかったことにはできないものの、傷ついた心を多少癒したり、経済的な安心を得ることができます。
 また、強制はできませんが、お互いに合意すればこのような金銭的な支払いに加えて、取り交わす合意書・示談書の中に謝罪の文言を付け加えたり、合意書とは別に謝罪文を添付させるという方法をとることもあります。

 問題の解決は1通りではありません。
 相手の表面上の謝罪や、形ばかりの反省で一時的に感情が収まっても、後から「やはり納得できない」「一筆とっておけばよかった」「慰謝料を取っておけばよかった」と思うこともよくあることです。  相談をし、話し合いをしていくうちに、思いがけない第3の方法での問題解決の可能性が開けることもあります。
 問題が起こったが、まだ自分の考えも漠然としており、どうすればいいかわからない、という方や、自分の望む解決は弁護士に手伝ってもらえないのではないか、という方は、まず相談してみることをお勧めします。

弁護士 井上真理