皆様こんにちは。弁護士の菊田です。

 本日は、消費者契約法についてのお話しです。

 消費者契約法は、一言で申し上げれば、消費者保護のための法律です。消費者と事業者の間には情報量や交渉力に差があって、消費者が不利な条件で契約を締結してしまうことが問題視されたことから施行されました。消費者契約法1条は、以下のように定めています。

「(目的)
第一条  この法律は、消費者と事業者との間の情報の質及び量並びに交渉力の格差にかんがみ、事業者の一定の行為により消費者が誤認し、又は困惑した場合について契約の申込み又はその承諾の意思表示を取り消すことができることとするとともに、事業者の損害賠償の責任を免除する条項その他の消費者の利益を不当に害することとなる条項の全部又は一部を無効とするほか、消費者の被害の発生又は拡大を防止するため適格消費者団体が事業者等に対し差止請求をすることができることとすることにより、消費者の利益の擁護を図り、もって国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。」

 消費者契約法に違反する契約は、無効とされる可能性があります。
 そのため、消費者を相手とする事業を営んでいる事業者にとっては、この法律によって、消費者との間の契約が無効とされないか、という点には細心の注意を払う必要があります。もし無効とされてしまうと、契約当時予想もしていなかった損害を被る可能性もあります。

 消費者契約法上、契約の効力に影響を及ぼしうるものとしては、大きく分けて、①契約内容を問題とするのではなく、契約締結段階における事業者の行為を原因とするもの、及び、②契約の内容自体を問題とするものがあります。

 ①については、消費者契約法4条に規定されており、事業者の消費者に対する、契約当時における説明内容等を問題としています。②については、消費者契約法8条ないし10条に規定されており、不当に、消費者に不利益を被らせるもの、あるいは事業者に利益を与えるもの等を無効とする旨定めています。

 次回以降は、これら消費者契約法の規定の具体的な内容をお話ししようと思います。