ただし、損害賠償額の予定を定めた場合、実際の損害額が予定額より多くても少なくても、予定額しか請求できません。
 なお、損害賠償の予定額が、あまりに高額だったり、債務者に無理やり合意させたものだったりすると、公序良俗違反として無効とされたり、利息制限法や消費者契約法などの特別法によって制限されたりすることがあるので、額の定め方にも注意が必要です。

 そうすると、契約書に損害賠償額の予定に関する規定を設けることは、損害の発生や損害額の立証をしなくてよいというメリットがある一方で、損害が予想より大きかった場合に、賠償請求することができなくなるリスクもあるということになります。

 では、損害賠償額の予定を合意して、損害の発生や損害額の立証をしなくて済む上、それを超える損害が発生したときには、超えた分について請求することができるようにできないのでしょうか。