こんにちは。長谷川です。
最近、寒かったり暑かったりと、気候が安定しないですね。
皆様も体調には気をつけて下さいね。

さて、引き続き、親事業者の禁止行為について説明していきますね。

 6つ目は、割引困難な手形の交付です。
下請法が、いかに下請代金の減額や支払遅延を禁止していても、割引を受けることが困難な手形で支払いができるということになっては、下請事業者の利益を守ることができません。
従って、下請法4条2項では、割引が困難の手形の交付を禁止しています。具体的には、繊維業は90日、その他の業種の場合は120日を超える手形期間の手形は割引困難と考えられます。

7つ目は、不当な経済上の利益の提供を要請することです。
親事業者が、親事業者自身の為に、下請事業者に現金やサービス、その他の経済上の利益を提供させて下請事業者の利益を不当に害する行為は禁止されています。
例えば、配送業務を行っている小売業者(親事業者)が、委託先の運送会社に、店舗の営業を手伝わせようとしたり、親事業者が「協賛金」等の名目で下請業者に金員を要求したりする行為です。
下請業者の弱い立場に鑑みると、こういった利益の提供要請を断れる訳がありませんから、下請事業者の利益を守る為には、こういった利益提供要請を禁止する必要があります。

8つ目は、不当な給付内容の変更、やり直しです。
下請事業者に責任がないのに、親事業者が一方的に発注を取り消したり、費用を負担せずに発注内容の変更や追加作業を行わせるなど、下請事業者の利益を不当に害する行為も禁止されています。
発注内容を親事業者が一方的に変更する以上は、追加で必要となる作業にかかる費用については、親事業者が負担するべきが当然といえます。
従って、下請法4条2項4号において、こういった行為を禁止しています。
なお、給付内容を変更した場合には、必ず、その内容を保存する必要があります。

次回も引き続き、禁止行為について説明していきます。
今週末は桜が綺麗に咲きそうですね。
明日からは4月・新年度です。心機一転、またがんばりましょう。

おしまい。

弁護士 長谷川 桃