弁護士 金 崎 浩 之


1 外国人向け賃貸
 外国人に賃貸することについて、嫌がる家主さんも少なくないと思いますが、だからこそビジネス・チャンスもあります。ほかの家主さんが嫌がっているからこそ、ニッチ市場がそこにあるからです。

 外国人と言えば、言葉の壁もあるうえに、何かとうるさい(まあ、この点に関して言うと、最近は日本人も十分うるさくなっていますが)。その上に、家賃を滞納され本国に帰国されてしまった暁には、この滞納家賃を回収することは事実上困難です。さらに、外国人には適切な保証人をつめられないことも珍しくありませんし、仮に保証人をつけても、本国のお母さんに請求して滞納家賃を回収できるとは思えません。ということで、外国人向け賃貸では、日本人に賃貸する場合と比べて特有のリスクがあると言えるでしょう。

 そこで、定期借家権を活用し、かつ、契約期間を比較的短期にすることで、滞納家賃を最小限度に食い止めることができます。

2 活用事例
 実際に、この定期借家契約を活用して外国人向け賃貸を積極的に展開している会社があるようです。

 東京都千代田区にある「東京レント」という会社では、この定期借家契約を活用して外国人向け賃貸を積極的に行っています。しかも、保証人も不要とのことです。管理個数も約500戸になるそうです(週刊全国賃貸住宅新聞2010年3月8日号)。
 この会社では管理物件の9割が「外国人向け」ということなので、定期借家契約のまさに成功事例ではないでしょうか。

 日本に在住する外国人は年々増えていますので、このニッチ市場は魅力があります。今後、定期借家権の活用でこの市場に目をつける競合も現れてくるかと思いますが、とりあえずは成功事例としてお伝えしたいと思います。

 う~ん、「弁護士泣かせ」だなあ…。