1 ノリピー、ついに自白

 私の予想通りでした。
 私が今月10日のブログで、ノリピーの逃亡が覚せい剤を抜く目的である可能性を示唆しました。

「ここからは私の推測ですが、ノリピーは覚せい剤の自己使用罪で処罰されることを避けるために逃亡した可能性があると私はにらんでいます。」(8月10日ブログ)

 このときはまだ、新聞やテレビの報道でも、覚せい剤を抜くために逃亡した可能性は示唆されていなかったので、「ここからは私の推測ですが…」と前置きしました。
 でも、6日間も逃亡していれば、覚せい剤が検出されない可能性が高いことくらい、普通の弁護士であれば常識として知っています。

 予想通り、尿検査をしても覚せい剤は検出されなかったわけですが、その後、捜査機関は、ノリピーの毛髪検査を実施しましたよね。
 実は、これでも覚せい剤は検出されないのではないかと私は思っていました。
 一般的に言って、毛髪検査の方が尿検査よりも優れています。尿検査で覚せい剤が検出されなくても、毛髪鑑定で覚せい剤が検出されることは珍しくありません。
 しかし、問題は、被疑者が脱色した場合です。脱色してしまうと、毛髪検査で覚せい剤を検出することも難しくなります。
 ノリピーに逮捕状が出されて連日のようにノリピーの報道が流れていましたが、昔のアイドル時代と違って、最近の彼女は髪を染めてたりするんですよね。

 でも、毛髪検査の結果、確かわずかに覚せい剤が検出されたって報道されてましたよね。
 もしかしたら、髪の毛染めていなかったのかもしれませんね。

2 ノリピーは公判廷で自白を翻すか?

 ノリピーが覚せい剤を抜くために逃亡したことを認める自白を公判廷で翻す可能性はあります。
 でも、たぶんそうはならないでしょう。

 ノリピーには、捜査段階からばっちり弁護士がついています。被疑者の供述調書の証拠能力はとても強くて、「任意性に疑いがある場合」を除き、証拠排除されません。
 したがって、逃亡目的を隠し続けるつもりだったら、弁護士が自白させないと思うんですね。
 ノリピーの自白は、弁護士も了解済みだと思います。

 ところで、報道によると、ノリピーは、「覚せい剤をやめようと思ったことはあるが、やめられなかった」と自白しているようです。
 これは、ノリピーに有利なんでしょうか不利なんでしょうか。
 「やめようと努力した」ということを強調したいのかもしれませんが、裁判では不利ですね。警察も検察も、通常取り調べで被疑者に有利なことなんて関心がありません。
 では、何でこんな供述を取ったのかというと、覚せい剤の常習性を立証するためですね。
 「ノリピーは薬物の常習だ。やめたいのにやめれなかったと自白しているではないか。だから、自分の力で薬物を断ちきるのは困難だ。矯正施設に収容した方がいい」という論告が予想されます。

 ノリピーには、悪い犯情がたくさんあります。

・覚せい剤を抜くために逃亡したこと
・逃亡目的をはぐらかしていたこと。
・本当は数年前からやっていたのに、昨年から始めたと虚偽の供述をしていたこと。
・やめたくても、やめられなかったこと。
です。

 ここまで来ると、検事が実刑を求めてくる可能性も否定できません。
 ノリピー裁判は、日本全国が注目することと思います。