1 サッポロが、明治ホールディングス、ポッカと資本業務提携

 キリンとサントリーの経営統合に引き続き、今度はビール会社大手のサッポロホールディングスが、明治ホールディングス、ポッカコーポレーションと資本業務提携を結ぶことになりました。
 具体的には、サッポロがアドバンテッジパートナーズからポッカの株式を譲り受ける方法で行われるそうです。その結果、サッポロは、ポッカの約20%に相当する株式を取得することになります。
 他方、乳業・製菓の大手である明治ホールディングスは、傘下の明治製菓を通じてすでにポッカの株式を22%保有しています。
 そこで、ポッカの大株主同士、サッポロと明治が業務提携を結ぶという形で、サッポロ、明治、ポッカの3社連合が成立することになります。

 ポッカは、海外事業に力を入れており、シンガポールなどのアジアで高いシェアを有しているそうです。海外事業の売り上げが全体の2割を超えているほどなので、海外展開は進んでいると言えます。
 他方、サッポロは、北米でのビール市場では一定の基盤を築いてはおりますが、アジア展開は遅れているとのこと。
 明治も海外事業は弱いようです。
 今後、サッポロと明治が、ともにポッカの株主として、ポッカのネットワークを通じて海外展開を積極的に行うものと思われます。

2 アサヒビールはどう出るか?

 キリンとサントリーの経営統合に続いて、今度は、サッポロ・明治・ポッカが3社連合…。食品業界の再編が続く中で、出遅れているのはアサヒビールです。
 ビール会社の2008年度の売り上げ(連結ベース)で見ると、次の通り。

1位  キリン     2兆3035億円
2位  サントリー   1兆5129億円
3位  アサヒ     1兆4627億円
4位  サッポロ    4145億円

 ご存知のとおり、1位のキリンと2位のサントリーが経営統合を実現しました。両社の連結売上高を合わせると、3兆8164億円規模です。3位のアサヒは、大きく差を広げられました。
 これに対し、サッポロは、連結ベースで4145億円の売り上げ規模なので、アサヒとの差は大きかったですが、今度の3社連合でどう変わるのでしょうか。
 明治の2008年度連結ベースの売上高は、何と1兆1254億円で、ポッカが965億円ですので、3社を合計すると、約1兆6000億円となり、アサヒを追い抜きました。

 さて、アサヒとしては、1位と2位のキリン、サントリーに差を広げられたばかりか、4位のサッポロにも資本業務提携で追い抜かれてしまいました。果たして、アサヒがこの状況を指をくわえて見ているのでしょうか。
 ひょっとすると、アサヒに新しい動きがあるかも…。
 アサヒが新たな動きに出る前に、アサヒの株を買っておくのも悪くないかもしれません(笑)。