我々弁護士にはよく「貸したお金を返してくれない相手からお金を返してもらうにはどうすればよいのか」「売掛金の支払日が来ているのに相手が支払ってくれない」などといったご相談があります。
 しかし、中には弁護士に相談せずに、相手に対して半ば脅すようなことを言って権利行使をしようとする方もいらっしゃるようです。
 このような場合に、何らかの犯罪が成立してしまうのでしょうか?

 この点について、最高裁判決昭和30年10月14日(刑集9巻11号2173頁)は、

「他人に対して権利を有する者が、その権利を実行することは、その権利の範囲内であり且つその方法が社会通念上一般に忍容すべきものと認められる程度を超えない限り、何等違法の問題を生じないけれども、右の範囲程度を逸脱するときは違法となり、恐喝罪の成立することがあるものと解するを相当とする」

と判示しています。

 上記最高裁判決からすると、権利者が、相手方に対して穏当な方法によって督促を行うことは、社会通念上一般に忍容すべきものと認められるものと思われますが、その程度を超えた脅し文句、暴力行為などに及んだ場合には、たとえ自分の権利を行使するための行為であっても恐喝罪となってしまう場合があります。

 そうならないためにも、他人に対して何らかの権利を持っているが、その他人が応じないという場合には、まず弁護士に相談してください。