今回は、恐喝罪における「恐喝」について取り扱います。
恐喝罪は刑法249条に規定されており、「人を恐喝して財物を交付させた」場合に成立します。
そして、「恐喝」とは、一般的には、相手方の反抗を抑圧するに足らない暴行または脅迫を加えることいいます。
なお、ここでいう「相手方の反抗を抑圧するに足らない」とは、強盗罪と区別する基準となります。「犯行を抑圧するに足りる」程度の暴行または脅迫行為が行われた場合には、強盗罪が成立しうることになります。
そして、「脅迫」とは、相手方を畏怖させるに足りる害悪の告知のことをいいます。相手を単に困惑させるだけのものは、脅迫にはあたりません。
告知する害悪の内容は、犯罪を構成するものや違法であることは要しません。これに関して、最高裁昭和29年4月6日判決は、捜査機関に対して、犯罪を告発すると脅して、口止め料を要求した行為は恐喝罪を構成するとしました。
また、告知の方法は問われません。