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 大器晩成って言葉、皆さんご存じですよね。

 これは老子の言葉なんですけど、正しくは「大器晩成せず」だって知ってましたか?

 大きな器の人物は晩年に成功する、という意味ではないんです。晩年になっても成就しないという意味なんです。

 なぜか?これ、けっこう深いですよ。

 器が大きすぎて寿命がおいつかないという意味なんです。

 仮に長生きできたとしても、結局、未完成の状態で天寿を全うしてしまうんです。寿命が足りないんですね。

 世の中を見渡していると、すでに20代、30代で先が見えている人って、けっこう多いと思いませんか。そんな人は、40代以降は惰性の人生です。寿命のほうが余っているんです。

 この言葉にふれて、ボクも考えました。

 「よし、自分の目標も一生かかっても完成できないものにしよう」と…。国家百年の計という言葉がありますけど、自分の目標も100年計画でいくことにしたんです。

 そして、今ボクが経営している法律事務所を日本一の法律事務所にしようと決めました。今はまだ弁護士20名程度の小さな法律事務所です。支部事務所も大阪と大宮にしかありません。将来的には47都道府県に事務所を置き、東アジア、東南アジアにも進出しようと思っています。
 こんなこと、ボク一代ではちょっと自信がありません。

 そこで、後継者のことを考えました。この瞬間に自分が経営している法律事務所を私物化する考え方が消えました!100年の計ということになると、私物化しても仕方がありませんから。そしてボクが死んだ後は、後継者になる人にやってもらおうと…。

 人間はいつか死ぬんです。

 一生涯で成し遂げられる目標なんて、つまらない、つまらない…。