ボクはいかなる宗教も信じないし、その意味では無神論者です。

 ただ、神を創造主と定義するならば、たぶん神はいるんだろうなと思っています。でも、教条主義的な宗教とは無縁です。

 神の存否は、哲学者の間でも古くから議論があり、学生の頃、デカルトの「方法序説」なんかも読みましたが、デカルト流の神の存在証明はあまりピンときませんでした(ちなみに、「我思う、故に我あり」という自己の存在証明もインチキだと思ってます)。
 キルケゴールも神の存在を肯定していますが、彼はそもそもクリスチャンなので信用できません。彼の著作である「死に至る病」も読んでみましたが、そこから神の存在について納得できるメッセージは読み取れませんでした。

 神の問題に関してユニークな発想を展開したのはニーチェです。
 ニーチェは、ツラトゥストラをして、こう語らせました。

 「なんてことだ。まだ彼は知らないのだ。神が死んだということを!」

 このフレーズ、けっこうボクのお気に入りです。

 世の中の現象を観察する限り、神が人間のために何かしてくれているようには思えない。仮に神が存在したとしても、すでに死んだも同然として扱わなければならない。そうだとすると、すでにいない神について議論をしても不毛である。たぶんニーチェはそう言いたかったのではないかと思います。

 ボクが神の存在を心のどこかで肯定しているのは、科学者の影響が大きいと思います。

 アインシュタインは、「神は宇宙を創造するときに、高度な数学的知識を用いた」と語っています。ボクには宇宙物理学のことは全くわかりませんが、最近医学の勉強をしていても感じます。

 人間のカラダは小宇宙だってよく言われますが、本当によくできています。まるで機械のように精巧にできています。こんなものが制作者(=創造主)がいなくてできるのか、本当に不思議です。

 でも、神が何の目的で人間を創造したのか。もちろん、そんなことはボクの頭で理解できる範疇を超えています。

 永遠の謎かもしれませんね。