弁護士 金﨑 浩之 

 また凄惨な事件が起こってしまいましたね。

 被害者の女性は、以前映画にも出演したことがあるそうなので、フアンだった男がその後ストーカーとなり、今回の犯行に及んでしまったということなのか、それとも元々被害者とプライベートな関係で接点があったのかはよく分かりません。

 いずれにしても何らかの芸能活動をしている人は、フアンから追いかけられる立場にあるので、ストーカーには気をつけた方がいいのかもしれません。タレントの”追っかけ”も、度が過ぎればストーカーですものね。

 それにしても、警察の対応は疑問です。

 ストーカー絡みの殺人事件が起こった時って、被害者がその直前に警察に相談しているケースが多いですよね。今回の事件でも、犯行直前に警察官が犯人に電話をしていたそうです。
 犯人が電話に出なかったことからストーカー行為を注意できなかったようなんですが、ボクは警察のストーカーに対する認識がまだまだ甘いと思いますよ。

 ボクら弁護士は、いつも被疑者・被告人をクライアントとする刑事事件ばかりやっているわけではなく、犯罪被害者からの依頼で加害者を告訴するという事件を受任することがよくあります。

 そういう案件では、被害者側の立場に立って、警察と交渉をし、告訴状の受理と迅速な捜査をお願いするのですが、警察官の対応は、総じて遅い!しかも、認識も甘い!

 警察署は、殺人とか強盗などといった事件は大真面目に捜査しますよ。それこそ総力を挙げて取り組みます。
 あと、覚醒剤などの薬物は、組織犯罪との絡みもあり、かつ業務の流れとしてルーティン化されているので、薬物事犯も迅速に動きますね。

 でもそれ以外の事件に関しては、とにかく遅い!

 そんな時の警察官の言い訳は、

・他にも重大な事件がたくさんある。

・マンパワーにも限界がある。

などといったものが多いです。

 でも、それが殺人事件などの凶悪事件に発展した場合は、他の事件を横に置いてでも精力的な捜査を始めます。

 今回は被害者が殺害されておりますので、三鷹署も真剣かつ精力的に取り組むはずです。
 でも、本当はその前にそういう姿勢で取り組んで欲しいですよね。おそらく、殺人事件と単なるストーカー行為とでは、警察官の認識にかなりの温度差があるんでしょうね。

 今回の事件も、もし警察官が殺人事件に発展する可能性を考えていたならば、被害者の身辺警備を行うとかできたはずです。
 それをしなかったのは、要するにそこまでの事件ではないと認識していたからだと思います。
 このような甘い認識はそろそろあらためてもらわないと困ります。

 ところで、ストーカー行為が殺人事件に発展する場合って、ボクの知る限りでは男性がストーカーの場合ですよね。
 ちゃんと調べたわけではありませんが、ストーカーの母数も男性のほうが多いような気がします。男性が女々しくなっている時代ですから、今後もこの類の凶悪事件は増えていくと思います。

 女性とは違って、犯人が男性の場合、ストーカー行為が粗暴犯に発展するケースが多いと思いますので、警察署としても特に注意してもらいたいと思います。

 最後に、被害者のご冥福をお祈り致します。