しかし、現在も人傷保険会社は、人傷保険を被害者に支払う際に、被害者から、「人傷保険金の支払を受けたときには、被害者の有する自賠法16条の請求権は人傷保険会社に移転する」内容の同意書を取ることがあります。これは、前者の人傷保険会社が回収した自賠責保険金が加害者側にこれから請求していく予定の部分に充当されるという考え方に親和的です。

 上記のとおり、人身傷害保険から保険金の支払いを受けた後、加害者に裁判基準に満たない部分について損害賠償請求をしていく場合、法的理解が難しい部分が出てきます。そのため、専門家に相談し、きちんと損害賠償額を計算してもらうことをおすすめします。