三角表示板の必要性と過失割合への影響
エンジントラブルやパンク等で、やむを得ず高速道路上で駐停車を行う場合に、三角表示板等の停止標示器材を設置しておくことは、後続車に予測の術を与えて追突の危険を減少させることにつながります。
道交法でも、故障その他の理由により、本線車道やこれに接する加速車線、減速車線、登坂車線、路肩、路側帯にて当該車両を運転できなくなった場合に、停止標示器材の表示を義務付けています(道交法75条の11第1項)。その違反には罰則規定があり(道交法120条1項12号の2)、反則金や違反点数の対象となります。
これを掲示しておくことは、万一追突された場合における駐停車車両(被追突車)の過失責任を一定程度減少させる方向に働きます。
本線車道上の駐停車の場合
ガス欠やエンジントラブル等は、事前の整備不良と解される場合が多く含まれます。このような事前の整備不良や、自身に過失のある先行事故が原因で駐停車を余儀なくされた場合に、後続車が追突した場合の基本過失割合は追突車60、被追突車40とされています。※1
他方、駐停車の原因が自身に過失のない先行事故であり、かつ、路肩等への退避も不可能である場合に、停止標示器材の設置を行ったにも関わらず後続車が追突した場合や、怪我等や時間的余裕の欠如により設置することができない状況で追突された場合では、追突車の一方的過失とされます。※2