2.自賠責保険(共済)損害調査の流れ

 自賠責保険における損害調査の流れを簡単に説明すると、以下のような流れになります。

① まず、請求者が、自賠責保険として加入している損保会社等へ自賠責保険への請求書類を提出します。

② 損保会社等は、請求書類に不備がないかを確認し、書類を自賠責損害調査事務所へ送付します(自賠責損害調査事務所については後で取り上げます)。

③ 自賠責損害調査事務所では、請求書類に基づき、事故発生の状況、被害者の方の受傷と事故との因果関係、発生した損害の額などを公正かつ中立な立場で調査を行います。
 ただ、請求書類の内容だけでは事故に関する事実確認ができないものについては、ⅰ事故当事者に事故状況照会、ⅱ病院宛てに照会、ⅲ事故現場調査など必要な調査を行います。
 また、損害調査の過程で、自賠責保険から支払われない、減額される可能性がある事案、後遺障害の等級認定が難しい事案など、自賠責損害調査事務所では判断が困難な事案については、自賠責損害調査事務所の上部機関である地区本部や本部で審査が行われます。
 さらに、特定の事案(脳外傷による高次脳機能傷害に該当する可能性がある場合、後遺障害の等級認定に対する異議申立てがあった場合等)については、自賠責保険審査会において審査が行われるとされています。

④ 自賠責損害調査事務所は、損保会社等に調査結果を報告します。

⑤ 損保会社等は、支払額を決定し、請求者に支払います。