1 インフルエンザ脳症

 インフルエンザ発症後、痙攣などの神経症状とともに、意識障害をきたす重篤な疾患。
 意識障害、痙攣など脳症特有の症状は、発熱後24時間以内と急速に進行する。
 インフルエンザ感染から脳症になるメカニズムは不明。

2 異常言動

・うわごと、意味不明なことをいう
・幻視、幻覚、認知の異常
・突発的な危険な行動
・感情表出の異常

3 原因

 インフルエンザ発病した幼児のうち、1~2万人に1例程度に合併→頻度からは稀な疾患。
 主にA香港型インフルエンザ
 5~6歳以下の幼児に多発
 死亡率14~30%で予後非常に悪い、後遺症残存も多い

4 ハイリスク小児

 心疾患、喘息(本件)、腎不全、糖尿病、免疫抑制薬使用中の患児、ライ症候群防止のためにアスピリン内服中の患児
 ⇒積極的にワクチン接種すべき

5 診断

迅速診断キットが最適の方法
検体の採取部位により感度が異なる
検出率:通常発症後4~5日で陰性化

6 検査

・頭部CT検査
・頭部MRI検査
・脳波検査
・血液検査・尿検査

7 予防

インフルエンザワクチン接種は有効
ワクチンはインフルエンザ感染の可能性を30~50%低下させる
学童:成人と同じで、70~90%の発病防止効果
低年齢:効果低下。有効率は30~50%程度。A型と比べるとB型で効果低い。

参考文献
別所文雄『これだけは知っておきたい 小児医療の知識』新興医学出版社、2006
山田至康ほか『重症疾患を見逃さない 小児の救急・当直診療』羊土社、2011

弁護士 池田実佐子