橈骨頭脱臼骨折(モンテジア骨折)

・「尺骨骨折に伴う橈骨頭脱臼」

・通常は尺骨の骨幹部(骨全長の中央付近)で骨折した場合に見られることが多く、肘のレントゲンも撮っておかないとこの脱臼が見つからないこともあり、注意が必要とされる。

・小児の場合、肘頭骨折に伴って発生することがある。

・橈骨頭脱臼は整復しておく必要がある。通常はメインの骨折をある程度 整復すると橈骨頭も整復される。

・合併症として、橈骨神経麻痺が生じることがある。

橈骨頭脱臼がメインの骨折とともに安定して整復されると、後遺症状はほとんど残らないが、脱臼が見つからずに経過してしまうと肘の可動域制限が生じたり、橈骨・尺骨の長さに変化が生じるために手関節に障害が生じることがあり、後日手術が必要となる。

「医療事故削減戦略システム」(日本医師会医療安全対策委員会 H21.10)

1.事例

3歳男性 2008 年7月1日、すべり台から約100cm 転落受傷し、外科診療所を受診した。X線撮影の結果、左尺骨骨折の診断となる。シーネ固定、湿布。7月3日、整形外科診療所(有床診)受診。X線撮影の結果、モンテジア骨折。翌日手術施行。固定するために釘をいれた。

2.本事例の問題点

・モンテジア骨折の診断は整形外科専門医によってなされるべきである。
・シーネ固定・安静で尺骨骨折は治癒するが、機能障害が残る可能性がある。

3.システムで実現する安全確保・予防のための取組

1) 骨頭が形成されていない10 歳頃(小学生低学年頃)まではモンテジア骨折に注意する。
2) どのように受傷したか、確認する。
3) X線撮影で骨折の診断と橈骨骨頭脱臼の存在を確認する。前腕骨のレントゲンでは必ず肘、手関節を含めたフィルムで撮影する。対象として健側の上肢も撮影し、比較する。
4) 機能障害を残さないために、整形外科専門医との診診連携は必須である。

「尺骨延長法」
橈骨を切断し、創外器具で固定(橈骨に4本のピンでとめる)し、創外器具のハンドルを1日1回1ミリづつ回し、切断した骨を伸ばしていく。完治には半年。