当事務所に寄せられる医療事件の相談のなかには、男性が亀頭増大術の類を受けたところ(陰茎海綿体が壊死するなどして)勃起不全に陥ったというものが一定数あります。

 そこで、今回は、勃起不全を含め、広く生殖器の後遺障害等級がいかなる基準によって認定されるかを紹介します(出典:損害保険料率算出機構「自賠責保険(共済)における後遺障害とは」(平成19年10月))。

第1

生殖機能を完全喪失したもの

両側の睾丸を失ったもの7級13号

次のいずれかにあたるもの
⑴ 状態として精液中に精子が存在しないもの
⑵ 両側の卵巣を失ったもの
⑶ 状態として卵子が形成されないもの

7級相当

第2

生殖機能に著しい障害を残すもの(生殖機能は残存しているものの、通常の性交では生殖を行うことができないもの)のうち、次のいずれかにあたるもの
9級16号

陰茎の大部分を欠損したもの(陰茎を膣に挿入することができないと認められるものに限る)

勃起障害を残すもの(次の①及び②の双方に該当するもの)
①夜間睡眠時に十分な勃起が認められないことがリジスキャン[1]による夜間陰茎勃起検査により証明されること
②支配神経の損傷等勃起障害の原因となり得る所見が次のいずれかの検査により認められること
・会陰部の知覚、肛門括約筋のトーヌス・自律収縮、肛門反射及び球海綿反射筋反射に係る検査【神経系検査】
・プロスタグランジンE1海綿体注射による各種検査【血管系検査】

射精障害を残すもの(次のいずれかに該当するものに限る)
・尿道又は射精管が断裂していること
・両側の下腹神経の断裂により当該神経の機能が失われていること
・膀胱頚部の機能が失われていること

膣口狭窄を残すもの(陰茎を膣に挿入することができないと認められるものに限る)
両側の卵管に閉塞若しくは癒着を残すもの、頸管に閉塞を残すもの、又は、子宮を失ったもの(画像所見により認められるものに限る)

第3

生殖機能に障害を残すもの(通常の性交で生殖を行うことができるものの、生殖機能に一定以上の障害を残すもの)
・狭骨盤又は比較的狭骨盤(産科的真結合線が10.5cm未満又は入口部横径が11.5cm未満のもの)
11級相当

第4

生殖機能に軽微な障害を残すもの(通常の性交で生殖を行うことができるものの、生殖機能に僅かな障害を残すもの) →13級相当
・一側の睾丸を失ったもの(一側の睾丸の亡失に準ずべき程度の委縮を含む)
・一側の卵巣を失ったもの

[1] リジスキャンを保有する医療機関の数は非常に限られている。