(1)頸動脈狭窄症

 頸動脈とは、脳に血液を循環させるための太い血管である。
 この頸動脈の壁に、コレステロールなどが溜まった結果、粥腫が形成され血液の循環が悪くなり、脳血流が低下する疾患である

(2)頸動脈狭窄症の症状

 黒内障、運動障害、手足の麻痺、言語障害など。
 これらの症状は人により一過性である場合やずっと続く場合もある。
 また、人によってはこれらの症状が全く現れない場合もある。

(3)原因

 高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙などにより起こる動脈硬化が主な原因である。

(4)診断方法

 頸動脈超音波検査、MRI、MRA、CTA、脳血管造影などで頸動脈の狭窄病変がみられる。

(5)治療方法

① 内科療法

 抗血小板薬(アスピリンなど)を服用したり、降圧薬、血糖降下薬の投与により内科疾患の管理を行う。

② 外科手術(血行再建術)

 頸動脈内膜剥離術(CEA)、頸動脈ステント留置術(CAS)など。

(6)本件で選択された治療法

頸動脈ステント留置術

 →大腿動脈からカテーテルを挿入し、血管の中から狭窄部を拡げる治療法。
  拡張した血管の状態を保つべく、拡張した血管部分にステント(金属製の筒)を留置する。

(7)本件で問題となる合併症

過灌流症候群

 過灌流症候群とは、脳代謝需要を超える脳血流の異常な増加(過灌流)により、頭痛、痙攣、脳内出血(古典的三主徴)などの症状が生じるものである。
 脳循環予備能の低下や高度狭窄がリスク因子と考えられている。

弁護士 藤田 大輔