誤嚥性肺炎とは、口腔内容物を気道内に誤嚥することにより生ずる肺炎である。
そして、日本呼吸器学会の成人院内肺炎診療ガイドラインの定義によると、嚥下障害ならびに誤嚥が証明された(あるいは強く疑われた)症例に生じた肺炎を誤嚥性肺炎としている。
 誤嚥をきたしやすい病態として、パーキンソン病、寝たきり状態、経管栄養等が挙げられる。この場合、誤嚥性肺炎になるリスクも上がる。
 誤嚥性肺炎の診断は、胸部X線で浸潤影(背側にみられることが多い)を認めることおよび発熱や喀痰などの呼吸器症状を呈し、血液検査所見で炎症反応が上昇していることで行われる。誤嚥の診断は食物や吐物などの誤嚥が直接確認あるいは気道内からの吸引が認められれば確実である。高齢者症例では、発熱や呼吸困難などの典型的な症状がみられないことも多い。
 高齢者の誤嚥性肺炎では全身状態不良の例も多いので、原則的に入院加療として静注抗菌薬投与を行う。

 したがって、誤嚥性肺炎を疑った場合には、胸部単純写真、血液検査を実施する必要がある。具体的には、誤嚥性肺炎が疑われた場合には、胸部単純写真や血液検査は肺炎の診断やその程度を把握するために必要であり、状況によっては喀痰細菌検査も加える。高齢者では肺炎らしからぬ肺炎も多く、治療のタイミンで予後が大きく変わるため、いかなる主訴であっても肺炎の可能性を念頭に置いて胸部単純写真を確認する必要がある。
 診断の結果、誤嚥性肺炎と診断ないし強く疑われた場合には、抗菌薬を投与する。具体的には、誤嚥の関与が大きいことから、βラクタマーゼに安定したペニシリン製剤を十分量使うことを基本とする。また、高齢者の誤嚥性肺炎では全身状態不良の例も多いので、原則的に入院加療として静注抗菌薬投与を行う。

参考文献
誤嚥性肺炎(今日の治療指針2012年版)
医療・介護関連肺炎(NHCAP)診療ガイドライン