1.意義

 頸動脈の壁にプラーク(粥腫)が形成され、血液の通り道が狭くなってしまう病態。症候性か無症候性かという点とその狭窄度で分類される。症候性は、狭窄症が原因でTIA(一過性虚血発作)または脳梗塞として発症する。無症候性は狭窄による症状がなく、脳ドッグで偶然みつかる場合等がある。

2.検査

 頸動脈超音波検査、MRA、CTA、CT、脳血管造影等が行われる。

3.治療

(1) 頸動脈内膜剥離術(CEA)

(ア)適応

 症候性で狭窄率50%以上の中等度から高度の頸動脈狭窄病変、無症候性で狭窄率60%以上の頸動脈狭窄病変に対し、内科的治療(抗血小板薬と脂質異常症改善薬を含む内科的治療)に加えて行われることが推奨されている。ただし、症候性の場合には、手術合併症が6%以下、無症候性の場合には3%以下の高い医療水準であることが要求される。

(イ)術法

 全身麻酔下に頸動脈を露出し、血流を遮断したうえで頸動脈を切開し、プラークを剥離して切除する。その後、頸動脈を縫合する。

(ウ)合併症

 脳梗塞、過灌流症候群、心筋梗塞、縫合部出血、脳神経麻痺や血腫等。

(2) 頸動脈ステント留置術(CAS)

(ア)適応

 内頸動脈狭窄症で、頸動脈内膜剥離術の治療成績を不良にする因子を持つ症例に対し、選択されることがある。当該因子とは、心臓疾患、重篤な呼吸器疾患、対側頸動脈閉塞、対側咽頭神経麻痺、頸部直達手術、または警部放射線治療の既往、CEA再狭窄例、80歳以上のうち、少なくとも一つ該当する場合である。

(イ)術法

 大腿部よりカテーテルを挿入し、狭窄部の末梢側に塞栓予防のためのフィルターをおき、狭窄部でバルーンを膨らませて血管を拡張させる。拡張した血管の状態を保つために血管内にステントを留置したうえ、フィルターを閉じて引き抜く。

(ウ)合併症

 脳梗塞、過灌流症候群、心筋梗塞、脳出血頸動脈洞反射による除脈、低血圧等。

参考文献
「病気が見えるVol.7 脳・神経」MEDIC MEDIA
「脳卒中ガイドライン2009」