急性胃拡張

弁護士法人ALG

弁護士 井内健雄

 

ア 急性胃拡張の臨床症状・経過

     急性胃拡張における症状発現は一般に急速であることが多いが、その疾病過程は徐々に進行しているものと考えられえている。すなわち、胃の拡張は徐々に起こるが、初期には腹痛・腹満も起こらず、気づかないことが多く、いったん症状が発現すると急激で、重篤であり、その進行も急速で、放置すれば2.3日で死の転帰をとることもある。

イ 急性胃拡張の治療

(ア)早急な対応の必要性

     急性胃拡張においても早期診断と早期治療が大切であり、いったん本症が発生した場合には、病態生理面の変化(循環動態、電解質バランス、酸・塩基平衡、胃内容吸引量など)を参考にしながら速やかに対処療法を行わなければならない。

     急性胃拡張の治療は、発生機序から考えて、1)胃内容の吸引、2)経口摂取の禁止、3)全身状態の改善、原疾患の治療、その他に大別することができる。

  (イ)胃内容の吸引

     急性胃拡張と診断された場合には、ただちに絶食とし、経鼻的胃管を挿入、低圧時速吸引による胃内容の排出を図ることが最も大切である。これは緊張が低下し、異常拡張した胃壁に対する負担軽減、除去すると同時に拡張胃の圧迫による急性循環不全の予防にもなり、できるだけ早期に行うべきものである。

     胃管の挿入にあたっては、胃壁は完全にアトニー状態で拡張しているから、食物残渣、液体成分のみならず、ガス類のすべてを吸引しさる必要がある。

 

 

参考文献

標準外科学