弁護士法人ALG&Associates

弁護士  金﨑 浩之


1 クロストリジウム・ディフィシル感染症(CDI)と検査

 CDI診断のための検査は次の3つ

 ①トキシン検査
 ・感度63%~94%(良いとは言えない)、特異度99%
 ・数時間で判定が出る。
 ・特殊な技術や設備が不要である。

 ②The cell cytotoxicity assay(細胞毒性試験)
 ・感度67%~100%、特異度85%~100%
 ・判定に時間がかかる(24時間~48時間)。 
 ・検査技術の習得や設備が必要。
 ・検査費用が高い。
  →日常検査業務としては行われていない。

 ③便培養検査
 ・感度89%~100%、特異度84%~99%
 ・判定に48時間以上かかる。
 ・トキシン産生株と非産生株の鑑別ができない。


2 トキシン検査について

(1)トキシン(毒素)について

 ①トキシンA
 ・好中球遊走因子。炎症性サイトカインの産生を刺激。
 ・腸液の分泌や腸管血管・粘膜の透過性を亢進させる。
 ・結果、腸液の増加と蛋白の漏出により下痢を引き起こす。
  
 ②トキシンB
 ・トキシンAの10倍毒素が強い。
 ・細胞傷害性の毒素であり、細胞骨格の破壊をもたらし、腸管粘膜障害を直接引き起こす。

 ③変異株NAP1/BI/027(強毒株)
 ・通常の毒素産生株よりも強いトキシンA、Bを産生する(16倍~23倍)。
 ・致死率・再発率が高い。
 ・薬剤耐性を有する(キノロン耐性)。
 ・binaryトキシンを産生する。
 ・欧米でアウト・ブレイクが報告されている(日本はまだ)。

(2)トキシン検査の種類

 ①トキシンAのみ検出
 ・トキシンAのみを検出するキットでは、感度50%前後と見積もる報告あり(参考文献5頁)。
 ・トキシンA-/トキシンB+の菌株を検出できない。
 ・陰性だからといって、CDIを否定できない。

 ②トキシンA、Bを検出
 ・感度は80%前後との見積もりあり(参考文献5頁)。
 ・陰性だからといって、CDIを除外できない。

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参考文献
・松井敏幸ほか編「ここが知りたい!偽膜性腸炎/CDI」(文光堂)