大阪支部  弁護士  浅田 有貴

【病態・概要】

 蛋白漏出性胃腸症とは,血漿蛋白(アルブミン,γグロブリン,フィブリノゲン等)が何らかの原因で胃腸管に漏出し,血清蛋白の濃度が減少して低蛋白血症をきたす病態をいう。症状は,特にアルブミン漏出の場合には,血管外腔に水分・電解質が移動するため,浮腫・腹水・下痢等の症状が発現することがある。ほかにも,嘔吐・悪心・食欲不振等の症状も発現することがある。


【診断】

 蛋白漏出性胃腸症では核医学検査による腸からのタンパク質漏出の増加を証明することが望ましい。核医学検査とは,微量の放射性物質(ラジオアイソトープ)を含む薬剤を体内に入れ,臓器の位置・大きさ・機能を画像化して検査するもので,非常に精度の高い検査であるとされている。

 また,便中α1-アンチトリプシンクリアランス試験等も行う。α1-アンチトリプシンは,蛋白漏出性胃腸症の場合アルブミンと同じく胃腸管に漏出するが,分子が大きいため消化管での再吸収率が非常に低く,糞便中にそのまま排泄される。そのため,便中のα1-アンチトリプシンを調べることは蛋白漏出性胃腸症の診断に有用である。


【原因疾患】

 上記の診断に加え,蛋白漏出性胃腸症をきたすとされている原因疾患についても検査・診断を行う。

本症を続発させる基礎疾患として,腸リンパ管拡張症,収縮性心膜炎,心不全,急性・慢性胃腸炎,メニエール病及びアミロイドーシスなどがある。




【治療】

 蛋白漏出性胃腸症が他の基礎疾患(原因疾患)に続発する場合には,当該原因疾患に対する治療を優先的に行うことが重要であり,本症には並行的に対症療法を施して対応することになる。

 対症療法としては,一般的には食餌療法や薬物療法がある。




【参考文献】

・今日の治療方針 2011/医学書院

My Med /ウェブサイト

・治療法は症状と原因から/ウェブサイト