4 とりわけ子宮破裂のリスクには注意が必要

 ある文献によれば、帝王切開の既往がない妊婦は子宮破裂の頻度が0.01%とされているのに対し、帝王切開の既往がある妊婦は子宮破裂の頻度が0.15~1.6%とされており、後者の子宮破裂の危険は前者の約10~100倍にもなります。

 また、帝王切開の既往がある妊婦が予定帝王切開を行った場合の子宮破裂の頻度が0.16%とされているのに対し、帝王切開の既往がある妊婦が自然に陣痛が発来するのを待って経膣分娩する場合の子宮破裂の頻度は0.52%とされており、後者の子宮破裂の危険は前者の約3倍にもなります。

 文献によって数値にバラつきがありますが、TOLACの子宮破裂リスクは高いといってよいでしょう。
 そして、ひとたびこのリスクが現実化し子宮破裂が起こった場合、母児が重篤な転帰を辿ることが多々あります。
 目下当職において係争中の案件のなかにも、TOLACの結果、子宮破裂し、児が脳性麻痺に陥ったというものがあります。

※このような場合のために、産科医療補償制度という制度が設けられています。 産科医療補償制度と医療訴訟 をご参照。