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考えられる過失の構成

1 手術の適応判断ミス

2 説明義務違反

最判平成13.11.27
 医師は、患者の疾患の治療のために手術を実施するに当たっては、診療契約に基づき、特別の事情のない限り、患者に対し、当該疾患の診断(病名と病状)、実施予定の手術の内容、手術に付随する危険性、他に選択可能な治療方法があれば、その内容と利害得失、予後などについて説明すべき義務がある。

3 手技上のミス(これにより合併症発症?)

脊椎手術後の神経症状の悪化

腰椎手術の合併症
合併症調査 :328例中神経合併症は10例(3%)(神経痕症状9例(2.7%)、馬尾症状1例(0.3%))障害神経痕は、L4/5レベル術後のL5痕症状が6例と最多。
術式 後方侵入腰椎椎体間固定術(PLIF)9例 開窓術1例

手術直後に起こった特定の神経痕由来の麻痺
=多くは、神経痕の過牽引など術中の操作によるもの。

術後数日してからの神経痕症状
=出現の原因は様々
最も考えられる原因は血腫
再手術における術中所見からはそれ以外にも神経痕の腫脹や局所止血剤など
術中に止血目的で使用したアビテンが膨隆して神経痕を圧迫していた症例も。
原因再手術で確認。

なお、仮に取り残しがあっても痛みが強くなることはない(損害全体につながらない)。

4 術後管理

*術後は、頻繁に神経症状を観察し術前の神経所見と対比することが不可欠

手術が直接の原因である場合が少なくないが、非手術部での合併症も生じる。
術後、例え画像所見で明白な圧迫病変が認められなくても、重度(筋力3未満の高度の筋力低下など)の麻痺が存在するか、術前よりも下肢痛が悪化した場合には、基本的に再手術。術後に麻痺や下肢痛が新たに出現するか、悪化した場合は基本的には再手術の必要性を十分に話し合い、再手術の時期を逸しないようにする必要。

*対処方法

・痛みを伴った軽度の筋力低下や知覚障害
⇒安静を指示すると比較的改善

・中程度の筋力低下は術後2週間以内を目標に再手術で障害神経痕を確認
⇒大切なことは知覚・筋力・反射など神経学的所見の頻回な観察
筋力3未満の筋力低下が出現した場合、より迅速な対処要求される。
MRI検査で硬膜外血腫の存在を除外できればミエログラフィーとCTミエログラフィーを実施する。麻痺を説明できる病変が確認されれば再手術の準備、確認されなくても患者の了承あれば再手術。

弁護士 池田実佐子