大阪支部  弁護士  浅田 有貴

【発育性(先天性)股関節形成不全の概要】

発育性股関節形成不全とは,出生前後の環境因子や先天性因子により、大腿骨頭が関節包に包まれたままの状態で脱臼したもの。奇形性脱臼以外は周産期及び出生後の発育過程で脱臼が生じることがわかってきたため,従来の先天性股関節脱臼(形成不全)という言い方は現在ではあまりしない。無治療では将来歩行障害(疼痛、跛行など)につながるため、乳児期より治療を行う必要がある。


【変形性股関節症】

 股関節に発生する変形性関節症であり,関節軟骨の変性や摩耗が非炎症性に起こり,周囲の骨や滑膜組織の変化を伴いながら変形を来したものをいう。日本における変形性股関節症の95%は二次性関節症であり,発育性股関節障害に伴い発症し,青年期・壮年期の女性に多いという傾向を有するとされる。

 変形性股関節症は慢性進行性の経過をたどり,一時的な軽快はあっても自然治癒は無く,疼痛や関節拘縮のため歩行障害やADL障害が起こるとされる。


【変形性股関節症の治療方針】

 保存療法と手術療法がある。保存療法はどの病期においても有効であり,適応があるとされるが,変形の進行を防止することはできないため,手術療法を選択する場合もある。

 手術療法は,進行期・末期股関節症に対して行われることが多い。青壮年期で片側性の変形性股関節症である場合には,キアリ骨盤骨切り術や外反骨切り術を選択(併用)する。


【参考文献】

・今日の治療指針 私はこう治療している 2011/医学書院

・標準形成外科学 第11版/医学書院

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